家庭も「電気を選ぶ時代」に
一般の家庭が、どの会社から電気を買うのかを自由に選べる「電力の小売り全面自由化」が2016年にスタートしました。
それまで電気の販売は、東京電力や九州電力など従来の大手電力会社が独占していましたが自由化により異業種からも参入が相次ぎ、競争が生まれたことで料金が安くなったり、さまざまなサービスを受けられるようになってきています。
「震災」が後押し
小売りの自由化自体は2000年にスタートしていましたが、当初はビルや大きな工場だけで、その後もなかなか一般家庭まで対象が広がりませんでした。
ところが2011年の東日本大震災に伴う福島第一原発事故を機に大手電力会社が独占する体制は、危機管理の面からも問題があるのでは」といった指摘もあり、小売りの自由化が一気に加速しました。
さらに、原子力発電に対して不安や疑問を投げかける声も広がり、国も太陽光や風力など、自然のカを生かした「再生可能エネルギー」の導入推進に力を入れるようになりました。五島市民電力も、この流れに沿って誕生しました。
「新電力」の業務と五島市民電力の使命
新たに参入した小売電気事業者は「新電力」と呼ばれます。五島市民電カも新電力ですが、自前の送電線などを持っているわけではありません。
主な仕事は、発電所から「電気を仕入れ」、お客さんに「電気を届ける」手配をすること。電気を送る送電線は、大手電力会社の送配電部門が全国で網の目のように張り巡らせているものを、お金を払って利用しています。
五島市の現状と五島市民電力の夢
五島市は、再生可能エネルギーによる発電量が市内電力需要の約40%を占める「再生エネ先進地」です。今後、私たち五島市民電力は、再生エネが含まれる電気を島内外に販売していきます。
そして、ただ電気を売るだけでなく、電力事業をベースに新たな雇用を生み出し、再生エネを生かした付加価値を生み出していきます。これにより島に未来をもたらし、島を元気にしていくことが私たちの使命と考えています。